適応障害で休職→復職中。

適応障害で病気休職から復職中のアラサー男子が日々を綴ります

ミスチルと高校生の僕

これまでの人生できっと一番好きだったあの人はミスチルが好きだった。

特に「名もなき詩」が。

でも、僕はミスチルが好きではない。

 

 

 

お店をやってるわけでもなく、一般家庭なのになぜか有線が引かれているくらいには音楽好きの両親のもとで育った私。

 

 

両親がミスチルをむしろ嫌いだったのもあるかもしれないな。

 

自分の場合、ミスチルがというよりも、桜井さんが嫌いなのです。

 

 

ファンの方すいませんね。

でも、嫌いだけど別にけなしている訳ではありません。

 

好きな曲も沢山あるし、ウォークマンにも入ってる。

でも、なぜかあの人は好きになれない。

 

実は結構そういう対象がいて、RADの野田さんとか、サザンの桑田さんとか嫌いだ。

でも、彼らの曲が嫌いなわけじゃない。普通に聴くし(サザンはほとんど聴かないけど)、良い曲だなと思うことがたくさんある。

 

好き嫌いと、非難はまた別の話でしょ。

 

 

 

とは言え、私が物心ついた時には、もうトップオブトップのバンドだったミスチル

 

 

小学生の頃はさすがにいなかったけれど、中高生くらいになると周りにファンがたくさんいた。

 

 

彼女もその一人だった。

 

 

 

あれは16歳の夏。

 

 

踊る姿に当時の僕は見惚れていた。

 

 

 

 

私の出身高校は、文化祭で全クラスがガチの劇・ミュージカルをやる高校。

(正直あまり知らずに入った(笑))

 

 

夏休みは、絶賛その準備に費やされる。

 

朝から学校に来て、準備して、部活の時間になったら部活に行って、終わったらまた教室に戻って来て…

 

 

そんな、THE青春みたいな夏休みが繰り広げられるのである。

 

 

僕はといえば、当初そんなにやる気があった訳ではなかった。

だけど、周囲の熱量を見て、「あぁこれは何らかの形でも携わっておいた方が後々良いだろうな。」そう思った。

 

夏休み前の、配役を決める日、僕はよくある端役に立候補した。

 

 

町人Aくらいに思ってくれれば良い。

でも、セリフもあるし、主役と一緒に踊るシーンもある。

 

そんなダンスシーンがあるなんて後から知るのだけど(笑)

 

 

 

そうやって、色々決まった後にある事件が起こる。

 

 

陸上部に所属していた僕は夏前の大会でケガを負った。

骨折した。

 

 

故に、夏休みの部活はほぼ全休したと思う。

でも、激しく走れないだけで、普通に生活は出来るし、家に居ても暇なので夏休みは毎日学校に行っていた。

 

毎日教室に居て、入れ代わり立ち代わり色んな人と準備作業をしていた。

 

大道具的なこと、セリフを覚える、歌やダンスを覚える、主役級の相手の読み合わせをしてあげる、ただただ教室で遊ぶ・だべる…

 

そしてたまに部活に顔を出し、部活のメンバーとも遊ぶ。

 

毎日、大富豪をしていた(笑)

 

 

 

その人は、我がクラスの振り付け担当だった。

 

彼女は文科系の部活なので、毎日のように学校にいた。

僕も毎日学校にいた。

 

絡む時間は必然的に多くなるよね。

 

 

振り付け担当でもあるし、ダンスを習っていた彼女は、時に教室で踊っていた。

 

振付を考えたり直したり、自分のダンスを練習したり。

 

 

僕は見惚れていた。

 

 

運動も勉強もそこそこできたが、芸術的才能が一切なかった僕は、そういう人に憧れた。

 

 

絵が上手い人

歌が上手い人

ダンスが上手い人

字が上手い人

習字が上手い人

楽器ができる人…

 

 

自分に出来ないものが出来る人に憧れた。

 

 

個人的にはルックスもドタイプだったけれど、目立って可愛い人ではなかったと思う。

 

 

クラスで可愛いと思うやつベスト3挙げようぜ!!

 

なんてなった時に、3位に挙げるやつがいるかな~…くらいの感じだ、きっと(笑)

知る人ぞ知るみたいな(笑)

 

 

 

そんなあの人は、ミスチルが大好きだった。桜井さんが大好きだった。

 

特に「名もなき詩」が好きだったと思う。

 

 

でも、僕はミスチルが好きじゃない。

 

 

なのに、僕は必死に好かれようと、ある程度好きな振りをした。

 

今思えば、この姿勢から間違っていた。

それは「理解」じゃない。「媚び」だ。

 

別に擦り寄る必要はなくて、理解するだけでよかったのにね。

 

 

 

 

教室で一緒に、「名もなき詩」を聴いたこともあった。

 

僕はミスチルをよく聴くようになっていたと思う。

 

元々、「youthful days」とか「イノセントワールド」とかは好きで聴いていたのだけれど、他の曲もよく聴いてたと思う。

「シーソーゲーム」とかよく聴いてたんじゃないかな。

 

 

 

 

 

…あれは素敵な夏だった。

僕は舞い上がっていた。

そう、それくらいにきっと好きだったんだと思う。

 

 

色んな人に相談に乗ってもらった。

 

 

 

 

しかし、その年の冬、僕は振られることになる。

 

それは単純に僕がミスったのだ。

詳しくは書かないけれど、泣かせてしまった。

 

 

後にも先にも、女性に悲しみの涙を浮かべさせてしまったのはこの時だけだ。

 

 

 

ただ、幸いにも、関係が破壊されたわけではなく、振られた後も、”友達”としては仲良しな関係だった。

 

 

 

 

そして、高2の春。

神様はまだ僕を見捨てなかった。

 

 

 

クラス替え。

また同じクラスになった。

 

僕の高校は、新学年の4月1日に、旧クラスに出席した後、新クラスが発表されるという方式だった。

 

 

黒板に貼られた新クラス。

 

 

見つけた自分の名前。

 

そして、見つけたもう一人の名前。

 

 

 

 

また同じクラスだね!!!!

 

 

そういって、覗き込んできた笑顔を僕はまだ思い出せる。(気持ち悪いw)

 

 

僕はまた、真夏に現れるダンサーに見惚れる権利を得たのである。

 

 

もちろん、やらかした上に一度振られた身、そういう関係はある程度諦めている。

そこまで、人生上手くいくもんじゃない(笑)

 

 

 

 

2度目の夏がやってきた。

また、振り付け担当に。

僕はダンスシーンの多い脇役に(笑)

 

 

この年は、まさかの劇中で一緒に踊るシーンがあった。

男女何人かで踊るシーンなんだけど、途中で男女ペアになって踊るところがあった。

 

 

 

神様はご褒美をくれた(何もしてないのに)。

 

 

まさかの、そのペアで踊ることになったのだ!!!!

 

 

もう、彼氏彼女の関係なんて諦めていたけれど、一人の人間として、一人の異性として大好きだった僕は、そんな感情が一部の仲良しには明らかにバレていた僕は、絶賛冷やかされた(笑)

 

 

 

2度目の夏。

 

変な欲望も多少吹っ切れていた僕は、去年よりも自然に接していたと思う。

 

でもそこに、かすかにでも期待する気持ちはゼロだったのかと問われれば、きっとノーだ(笑)

 

 

 

 

楽しかった夏の終わり。

 

とある男とその人は付き合うことになる。

 

 

そいつは、周囲の評判があまり良くない奴で、「なんで柚を選ばなかったんだろうね!?」と男女問わず結構言われたものだ。

 

 

そんなのは自分が一番思っていた(笑)

 

だけど、それはもちろん独りよがりで。

良いじゃないの、その人が選んだんだから。

 

1年前の夏、僕は自分を少し捨てて擦り寄っていた。

その年の夏、僕は自然体で接し過ぎて、無害感を漂わせていた。

 

いわゆる、「いい人止まり」だね。

 

 

高2の夏、文化祭終わりに撮った1枚の写真には、4人の男女が写っている。

 

僕と、その人と、当時まだ付き合っていなかった彼氏と、もう一人の女子。

 

 

当初は、その笑顔が眩しくて、大事にしまっていたのに、そのニュースを聞いてからは、奥底にしまい込んだ。

 

 

もう5年以上は目にしてないんじゃないかな(笑)

 

 

 

その二人は結局、卒業まで関係が続いていた。

 

 

一方、僕は普通に仲良しのまま高校を卒業した。

 

 

高3の時、別の人を好きになるのだけど、それはまた別の話。

(別の話ってまた書くのか?(笑))

 

 

高校を卒業して以来、一度も会っていない。

 

 

就職するくらいまでは、Facebookで軽く繋がっていたけれど、もうFacebookを開かなくなって何年経つだろうか。

 

もうきっと結婚してるんじゃないかな。

お子さんもいるかもしれないね。

 

 

 

交友関係リセット癖のある僕は、高校時代の友人とももう4~5年会っていない。

 

 

 

それでも、「名もなき詩」を聴くと、あの舌を出したジャケットを見ると、たまにふと思い出してしまう。

 

もうさすがに、引きずってなんていないけれど、人生で一番に近い「たられば」なのは間違いない。

 

 

今のマインドであの頃に戻れたら…

 

 

なんて思う時もある。

 

 

ミスチルは今でも好きじゃないけれど、淡い思い出を彩る大切なバンドだ。

 

名もなき詩

名もなき詩

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